バレンタインデーのお話です。

小学生も高学年になりますと、女子はバレンタインデーにチョコレートを用意し始めるもんです。

まあ、今は幼稚園児でもチョコレートをあげるっていうから、マセたものですね。

私が小学生の頃なんか、同級生の女子からチョコレート貰った事がない。

別に威張れた事じゃありませんが。

義理チョコなら幾つか頂きました。

バレンタインは不機嫌な日々

あれは小学六年の時でしたか、バレンタインの日に機嫌の悪い私がおりました。

何てことはありません。

チョコレートが貰えないんで拗ねてるんです。

毎年の事です。

そんでもって家に帰ると、妹が待ってましたとばかりに、「お兄ちゃん、チョコレート貰えたの?」と、こうです。

いつもの事なんですが、妹はこう言って私をからかうのです。

私は不愉快になって鞄を放り投げて、プイとテレビのスイッチを入れた。

ふてくされたんですね。

びっくりするような出来事が

するといきなり妹が、「お兄ちゃん、鞄の中からチョコレートが出てきたよ」何て言うものですから、慌てて鞄を見た。

それは放り投げた拍子に中の教科書やノートと一緒に、赤いリボンの付けられた小さな包みが飛び出してたんです。

「お兄ちゃん、もてる」妹は嬉しそうに言いました。

包みを開けると、それは百円程のありふれたチョコレートでした。

「このチョコレート、食べていい?」「ああ、いいよ」私は断る事もできず、ただ妹の笑顔を見ておりました。

答えは・・・

何て事はありません。

そのチョコレート、実は妹が用意した物だったんです。

私は分かってました。

情けない気持ちで一杯でしたが、でもそれ以上に、妹の心遣いも嬉しかったんです。